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感想:デスマーチからはじまる異世界狂想曲

今回は「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」の感想です。

 

ここ数年は毎クール放送されると言っても過言ではない、異世界転生×主人公最強作品です。ただ他の作品とは違う点として、バトルがメインではないということがあるでしょう。異世界での生活描写を主軸にした物語のアクセントとしてバトルや探索要素があるといえばわかりやすいでしょうか。そのため主人公が異世界で無双するような話を期待していた人には評価されにくいと思います。

 

主人公を除く登場人物はそれぞれ演技もよく、キャラが立っていました。主人公に関しては正直苦手な声です。心理描写と発言で、あえて声を変える必要はあったのかな…。 世界観はなかなか細かく説明されています。個人的にはBGMが良かったです。導入も割と丁寧で、後々は1話で作っていたゲームが作品の舞台と関係しているという伏線になるのでしょうか。

 

一方、能力やアイテムの確認もままならないうちに「帰還は後回し、とりあえずは観光」となる思考回路には疑問。旅の目的が不明瞭で行動に説得力がなく、そのため主人公に魅力が感じられません。異世界で元日本人と奇跡的に出会えたにも関わらず反応は淡白であったりするなど、キャラクターの、作者に都合の良い言動や思考も目立ちます。

 

総括です。 ハーレムや異世界という要素だけで批判されがちなので少し同情してしまう作品です。派手なアクションや強敵とのバトルを望む視聴者層に魅力は伝わりにくいでしょう。事件が起きた際も基本的には静観して、可能な限り武力を使わずに解決するそのスタンスも捉え方によってはつまらないかもしれません。異世界での日常を描いた作品だとして見ればまた評価も変わるかも。

 

最後に、この作品に限りませんが、ストーリーものの中でのお色気系の突発イベントや、何故か異常に好かれる主人公はやはりどうしても受け入れられません。 売り上げ等を考えると仕方ないのかも知れませんが、そういう要素を詰め込んだだけの作品が売れてしまう現状はどうにかなりませんかね…。