立てば食欲座ればご飯

歩く姿は貴乃花

モンハン用語だらけの桃太郎

※こちらはMHW発売前に書いたものです。

 

 

昔昔あるところに、竜人族のおじいさんと獣人族のおばあさんが住んでいました。

おじいさんは山へ神おまを探しに、おばあさんは川へ黄金魚を釣りに出かけると、川上から大きな桃がドドブランゴ、ドドブランゴ、と流れてきました。

小型モンスターの攻撃やスタミナに気を配りながら桃を家まで運んで納品し、切断属性の攻撃を繰り返すと中から元気なゆうたが生まれてきました。

こどものいなかったおじいさんとおばあさんはそのゆうたを†桃太郎†と名付け、育てることにしました。

 

†桃太郎†はすくすくと成長し、クーラードリンクを持参し忘れてのリタイア、ペイントが切れてモンスターの居場所がわからない、 不穏なタイトルのクエストでパッケージモンスターの乱入などの試練を乗り越えたある日、こんなことを言い出しました。

 

「G級防具の素材がないから鬼ヶ島に行って鬼退治したい。」

 

村の自称プロハン様は、

 

「攻撃に当らなければ防具はいらない。」

「上位防具でG級余裕でした。」

 

と反対しましたが、自分達が今、寄生して手に入れたピカピカのネセト一式を着ているのを思い出して口をつぐみました。

 

旅立ちの日になりました。

おじいさんとおばあさんは†桃太郎†に支給品専用きびだんごを渡し、食事スキルをちゃんと発動させるように忠告して見送りました。

 

†桃太郎†がマップに不自然に追加された段差に愚痴を言いながら歩いていると、犬たるオルガロンに出会いました。

「お腰につけたきびだんごをひとつくれたら、いいタイミングで粉塵使います。」

†桃太郎†はMHF未プレイでしたが、なんか見た目が強そうだったのできびだんごをあげました。

 

†桃太郎†が前作よりも悪くなったグラフィックに文句を言いながら歩いていると、猿たるババコンガに出会いました。

「お腰につけたきびだんごをひとつくれたら、敵が飛び上がったタイミングで閃光玉使います。」

鬼は空を飛びませんが、ヘイト分散に使えそうだったのできびだんごをあげました。

 

†桃太郎†がエリアチェンジのロード時間に不満を言いながら歩いていると、猫たるアイルーに出会いました。

「はちみつください」

しかし攻撃力が5万を超えていそうな予感がしたので無視しました。

 

†桃太郎†がロケット生肉の突進にイライラしながら歩いていると、雉たるイャンクックに出会いました。

「お腰につけたきびだんごをひとつくれたら、二頭クエストになった時にけむり玉を使います。」

†桃太郎†は、先輩ハンターがこの雉を先生と呼んでいたことを思い出し、さぞかし強いんだろうと思ってきびだんごをあげました。

 

やがて一行は鬼ヶ島に到着しました。

鬼たちは流石G級でした。

即死級の攻撃や壁を使ってのハメ、挙句の果てには回線を言い訳にした瞬間移動まで使ってきます。

 

†桃太郎†たちはあっという間に2乙してしまいました。

犬は必死に戦っていますがモンスター同士の攻撃は威力が低そうです。

猿は右腕の下にあるシビレ罠にかかったきり、抜け出すことができません。

雉はもうベースキャンプから一歩も動いていません。

†桃太郎†も鬼の攻撃を必死にかわしますが、当たるはずのない位置に居るのに尻尾の回転攻撃が当たってしまいます。

†桃太郎†はアタリハンテイ力学を知りませんでした。

犬の粉塵も間に合いません。

猿は痺れています。

雉はキックされました。

 

これで3乙か。諦めかけたその時、緑色のゲージがかすかに残りました。

食事スキルのド根性が発動したようです。

おじいさんとおばあさんの忠告のお陰です。

 

回復した†桃太郎†は、鬼をひきつけて撃龍槍を使いました。

当たった鬼は大きく怯み、BGMは英雄の証が流れ出します。

その後も†桃太郎†たちの波状攻撃は続き、ついに鬼は叫びます。

 

「コンナハズジャナイノニィ!」

 

画面が暗転しました。

3DSを閉じたことによるエラーです。

これは視聴者が荒れる、そう思われましたが鬼は急いでチャンネルを閉鎖することで事なきを得ました。

素材は手に入らなかったものの†桃太郎†は鬼を倒して村に凱旋し、ひとときの平和な世界が戻ってきました。

 

「2018年の1月26日になったら帰ってくるわ。」

そう言って†桃太郎†は部屋にひきこもりました。 めでたし、めでたし。